陸上自衛隊 東部方面隊 第12旅団

松本駐屯地 創立55周年記念 駐屯地祭
その
4

 

 訓練展示終了後、装備品展示を見て回った。

89式小銃

全長 917mm
銃身長 420mm
重量 3.5kg
口径 5.56mm
作動方式 ガス圧利用
発射速度 最大約850発/min
開発/生産 日本・豊和工業
略称 89R
愛称 BUDDY


(左)レシーバーのアップ (右)以前は「89式5.56mm小銃」と打刻されていたが、最近は「89R」と簡素な刻印


自衛隊に限らず、銃器に保有する部隊や通し番号を書き込むことはよくあるが、
松本駐屯地では銃自体に書き込むのではなく、シールを貼っている。これは第13普通科連隊第2中隊の89式小銃だった。

5.56mm機関銃MINIMI

全長 1040mm
銃身長 465mm
重量 7.01kg
口径 5.56mm
発射速度 約750発/min・約1000発/min
開発/生産 ベルギー・ファブリックナショナル(FN)社/住友重機械工業


(左)レシーバーのアップ。2000年9月に製造されたことが判る。 (右)遊底覆を開けたところ。

 昨年は89式小銃には弾倉(マガジン)が、ミニミには箱形弾倉(ボックスマガジン)が装着されたままだったのだが、今年は盗難・紛失防止のためか外されていた。

9mm機関けん銃

全長 339mm
銃身長 120mm
重量 2.8kg
口径 9mm
作動方式 単純吹き戻し式
開発/生産 日本・ミネベア
愛称 M9

銃身。

 今回、9mm拳銃の展示はなかった。

84mm無反動砲

全長 1130mm
重量 16.1kg
口径 84mm
最大射程 対戦車榴弾:700m,榴弾:1000m
開発/生産 スウェーデン・FFV社/日本・豊和工業


(左)砲口から覗いたところ。ライフリングが確認できる。 (右)照準装置(オープンサイト)。昨年は照準具(テレスコープサイト)が搭載されていた。

 このほか、110mm携帯対戦車弾も展示されていた。

91式携帯地対空誘導弾 “携SAM”

全長 1430mm
重量 11.5kg
誘導方式 画像及び赤外線誘導方式
開発/生産 日本/東芝
愛称 ハンドアロー


(左)トリガー周り。 (右)生産プレートのアップ。

12.7mm機関銃M2

全長 165.4mm
銃身長 1143mm
重量 38.1kg(本体のみ)
口径 12.7mm
開発/生産 ベルギー・ファブリックナショナル(FN)社/日本・豊和工業

昨年はM3三脚架に載せられ、触れることが出来たのだが、
今年はM63対空銃架に搭載され、ロープで囲まれていた。
銃尾部

81mm迫撃砲L16

砲身長 1280mm
重量 38kg
口径 81mm
開発/生産 イギリス・ロイヤルオーディナンス社/日本・豊和工業
愛称 ハンマー

120mm重迫撃砲RT

砲身長 2080mm
重量 600kg
口径 120mm
最大射程 13km(噴進弾)8.1km(通常弾)
開発/生産 フランス・TDA社/日本・豊和工業
愛称 ヘビィハンマー

砲弾も一緒に展示されていた。

79式対舟艇対戦車誘導弾 “重MAT”

全長 1570mm
重量 33kg
飛翔速度 200m/sec
誘導方式 光学照準及び赤外線追尾による半自動方式
有効射程 4000m
開発/生産 日本・川崎重工,三菱自動車重工

87式対戦車誘導弾 “中MAT”

全長 1000mm
重量 12kg
誘導方式 セミアクティブ・レーザー・ホーミング
有効射程 2000m
開発/生産 日本・川崎重工,三菱自動車重工業
略称 MMAT
愛称 タンクバスター

93式近距離地対空誘導弾 “近SAM”

全長 1430m
重量 11.5kg
誘導方式 画像及び赤外線誘導方式
最大射程 5000m
愛称 クローズドアロー

発射機を頻繁に回転させていたので、かなりの注目を集めていた。
弾頭を入れたコンテナ

 このほか、88式地対艦誘導弾も展示されていた。

 同時に迷彩服の展示も行われていた。

(左)イラク派遣隊仕様 (右)左はPKO派遣仕様、右は通常仕様


(左)イラク派遣隊に支給されるデザートブーツ。 (右)イラク派遣隊が着用する防暑服は、擬装用の枝刺しが無いかわりに国旗パッチを貼るマジックテープがある。

PKO派遣隊のブルーベレーとスカーフ

携帯無線機1号(F10)と携帯無線機2号(F20)

 

 昨年の中越地震ではこの松本駐屯地からも災害派遣が為されている。更に長野県では、1998年長野冬季オリンピックで部外協力も受けている。今年の8月には、松本駐屯地を含む第12旅団を中心として構成された第20次ゴラン高原派遣輸送隊が派遣される。同じ県内に、こうした精鋭が揃っていることは誇りである。しかしながら、こうした自衛隊の活動があまり一般に走られていないことも事実だ。田中康夫長野県知事は「中越地震での自衛隊の対応が悪い」と非難したし、今回の駐屯地祭りでも招待された松本市長が出席を辞退している。

 市議会6月定例会の一般質問において「(市長が出席せず)自衛隊との関係は大丈夫か」と問われた菅谷市長は「子どもに武器を触らせたり戦車に試乗させたりするのは教育上問題があるのではないかと危惧する」と述べた。果たして、武器を触るとどのような“教育上の問題”があるのだろう。銃を触ると途端に数学の計算が出来なくなったり、歴史の年号を覚えられなくなるのか。「銃や戦車は人殺しの為だけの道具だから道徳的な問題がある」と云われるかもしれないが、ならば人殺しの道具ではない、すなわち“道徳的問題のない”包丁や自動車で人が殺されても良いのか。殺人術である柔道や剣道が教育課程に組み込まれ、部活動として存在していることに問題はないのか。

 寧ろ国防という国家の要と、愛する人を守り国を守ることの大切さを学ばずに成長した子ども達が次世代を担うとき、その国は国として成立し得なくなるのではないか。“教育上の問題”と云うのならば、具体的にどの教科のどの分野においてどの程度の問題が起きるのか、それを説明してから自衛隊を非難していただきたい。

 こうした誤解を防ぐためにも、自衛隊は国民とより親密になるべきだ。今回のような駐屯地開放はそれに相応しい機会である。これからも是非、このような機会を持ち続けて欲しい。

 

 

BACK

 

TOP PAGE