陸上自衛隊 東部方面隊 第12旅団 松本駐屯地

創立54周年記念 自衛隊祭り
その1

 

 2004年4月18日、長野県唯一の自衛隊駐屯地である松本駐屯地において、毎年恒例の創立記念の“自衛隊祭り”が行われた。

 過去数回松本駐屯地を訪れている会長:神楽ではあるが、そのいずれも午後からの見学であり、多くのセレモニーが終わったあとであった。そこで今年は、一般公開開始の0900時から見学することにした。

 今年はイラクに自衛隊が派遣されたり、またイラクで邦人が誘拐拉致されたりと、非常に険悪なムードでの自衛隊祭りであった。同時多発テロ直後などは、空自のイベントなどが一部中止になったりしていたのだが、陸自はそれほど中止といったこともない。開催を英断された関係者に拍手を送りたい。

左側よりUH-1、CH-47、61式戦車、74式戦車が展示保存されている。
この後、これらは子ども達の格好の遊具となり、砲塔やらハッチやらに子どもがしがみついていたりした。

まだまだ一般見学者は少ないが、この30分後には人数が5倍にはなった

 さて、会場である松本駐屯地に私が到着したのは、予定を少し遅れ、残念ながら0915時頃であったが、すでに一部の一般見学者が集まり始めていた。

 今年、私が朝に弱いにも関わらず、午前から見学しようとしたのには理由が2つある。ひとつは前述のように午前中に行われる各種セレモニーを見学するため、もうひとつは先日公開された松本駐屯地HPで告示された、先着200名までのシール引換券を利用するためであった。

 しかしながら広い駐屯地、露店が建ち並ぶものの、肝心の広報班が見つからない。漸く見つけた看板には「広報班 →」とぶっきらぼうに記されているのみ。途方に暮れ、その看板に隣接する建物の入り口前に立っていらした自衛官に場所を尋ねると、

「この中ですよ」

 そう、その建物の入ってすぐ右手が広報班だったのである。

 

 中には1名のWAC(Women Army Corps:婦人陸上自衛官)がいらっしゃり、3枚のシールを手渡してくれた。

行進される自衛官の腰には、9mm拳銃の入ったホルスターが

整然と整列される自衛官。
余談だが、私の隣にいた男性が、自分の娘(と思しき少女)に、「髭そりたくないからあそこに並ばなかったんだよ」と話しておられた。
どうやらその方も自衛官だったらしい。事情は人それぞれのようである


13普通科連隊長 兼 松本駐屯地司令:村永次郎1等陸佐が警務隊所属の白い73式ジープ(旧)に乗って入場される

国旗掲揚に対し、捧げ銃をされる隊員

巡閲をされる村永1等陸佐

 

 さて、それから駐屯地奥の式典会場へ進む。そこでは既に観閲式が行われていた。女性が淡々とアナウンスをしており、松本市長(代理)など周辺市町村からや、衆議院議員・参議院議員、自衛隊関係者などの来賓が祝辞等を述べておられた。

不動の姿勢をとられる自衛官

 しかし観客席に座ることは出来ないので、話が良く聞こえない。仕方なく式典会場から更に奥へ進むと、新・旧73式ジープ、銃座に5.56mm機関銃MINIMIを据えた高機動車、そして各重機が整列していた。後に判ったことだが、これはパレードで観客関前を行進するために“舞台袖”で準備をしていたのである。数10両もの車両が一度に前進を開始するや、もうもうたる砂煙がおき、いやが上にも気分がもりあがる。

銃座にMINIMIを据えた高機動車。イラク派遣で有名になった軽装甲機動車は松本には配備されないようである。

“舞台裏”から進む73式ジープ

 その後、再び式典会場へと向かうと、今度はラッパ隊や南アルプス太鼓による演奏が行われた。
 特にラッパ隊は、唇と息の吹き込みだけで音階を作っているとは思えない素晴らしい演奏であった。

ラッパ隊の演奏。演奏しながらも一糸乱れず行進する彼らには脱帽である

 それに続き、ヘリコプター隊による祝賀飛行が行われた。観覧席向かって左、西の空より、AH-1S“コブラ”を先頭に、OH-6“スカイユース”、UH-60“ブラックホーク”、CH-47“チヌーク”が低空飛行で式典会場へ進入、上空すれすれを飛び去っていった(ヘリコプターの愛称はいずれも米軍で使用されているもの)。

ローターを唸らせながら接近するヘリコプター隊(左上)。AH-1S(右上)を先頭に、OH-6(左下写真・上の機体)、UH-60(同・下)、CH-47(右下)

 それが終了すると再びアナウンスが。

「それではお待たせいたしました、模擬戦闘訓練の開始です」

 ついつい「はいはい、お待ちしておりました」と呟いてしまった。生まれて17年、実銃の発砲シーンなどテレビのブラウン管の向こうでしか見たことはなかった。一体どんな訓練となるのか、楽しみである。

 

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